芦屋大学准教授・齋藤電気の電気実験室へようこそ!

はじめに
科学と技術は両輪の関係にあります。電子技術は今日の現代社会を支える大きな私達の財産です。技術現場フィールドのテクニカルな方向から電子を扱ういろいろな技術的側面をわかり易く紹介いたします。
目次
1.設計技術
 1.1動作原理と回路設計
2.電子部品技術
 2.1半導体
 2.2受動部品 2.2.1コンデンサ 2.2.2抵抗 2.2.3コイル
 2.3接続部品 2.3.1コネクタ 2.3.2スイッチ 2.3.3電線 2.3.4基板
 2.4機構部品 2.4.1リレ−2.4.2振動子発信子2.4.3フィルタ2.4.4電池
3.配線実装技術
 3.1ハンダ
 3.2ワイヤリング





1.設計技術
私達の普段の暮らしの中で、例えば引っ越して新しい環境の部屋で暮らすイメージを想像してみましょう。どんな種類の家具をどこに配置し、今ある寝具や食器はどの位あり、必要あるいは不要なものがどのくらいあるのか、また部屋のカーテンなどの内装やベランダの様子、買い物など交通の状況によっては自転車が必要かどうか、いろいろと暮らすという中にも検討しておかなければならないことがあります。  また単に引越しといっても1人、家族、あるいは会社という単位でも内容はやはり大きく異なりますね。設計は電気の世界では、電子装置の回路をどのような原理や手法で動かし、装置の役割を務めるのか、といった大変奥行きのある分野なのです。 設計技術の立場から懐中電灯を例にとってご説明しますと、懐中電灯の機能として、暗い夜や光のない地下室など、乾電池のエネルギーで豆電球を点灯させて暗闇でも安全に歩くための照明としての機能を果たす器具という役割があります。  実際、懐中電灯の商品を調べてみますと、実に多くの種類があることに気がつきます。機能項目で分類しても、という、多少の雨がかかっても大丈夫な防水構造となっているもの、水中で使えるもの、ヘルメットにつけて使えるもの、あるいは充電式や発電式、など実に多種多様で驚かされます。 こうした用途に応じ、種類を使いわける、あるいはその機能がなければ改良することによって機能を満たすようにしていくわけです。 この機能を実現する、元となる作り方こそが設計技術という分野なのです。 防水機能は装置に水が入らないような構造と材料が必要なりますし、充電や発電機能をもったものはそれなりの回路設計を必要とします。前置きが長くなりましたが、電子回路を中心とした回路設計について紐解いてみたいと思います。
1.1動作原理と回路設計
動かす対象が人を運ぶ機械、例えばエレベータとか自動車といった場合、それなりの基準で設計しておかないといけません。動作中に故障しても安全に停止できるような仕組みを取り入れることが要求されます。製品によって価格差があるのは、実は設計段階での信頼性をどの程度高めていくか、という点で異なってきます。  例えば自動車のカーラジオ設計を例にみると、通常車の使用温度範囲は日本の場合、冬、零下20度位から真夏の40度を越え、また絶えず道路からの振動を受け、場合によっては結露も生じやすいといった過酷な条件にもある程度耐えるように動作するためにはそれなりの構造を必要とします。自動車用に設計していない家庭用ラジオの例では、夏の密閉車内温度熱に耐えられず、樹脂変形や電子回路の動作不良が起きることがよくあります。  こうした温度という環境ストレス1つをとっても、電子回路の動作特性は大きく影響を及ぼします。一般的に温度が高くなると半導体の場合、「負特性」により、より電流が流れやすくなる傾向があります。上手に電流をコントロールしていわゆる「熱暴走」とよばれる現象を止めてやる仕組みが必要となります。また、低温下では化学コンデンサ類の電解液特性が変わり、容量低下によって回路動作が変わってしまうことが知られています。回路設計は温度や湿度の変化によってどの程度安定して動作させることが可能かをよく調査検討し、適切な部品や回路方式を採用することが求められます。

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