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2.電子部品技術
電子部品には多くの種類があります。順に其々の特徴を上げてみました。
2.1半導体
半導体部品は、シリコンやゲルマニウムといった純結晶にごく微少の不純物質を混入させた素子で構成された回路などを樹脂などのパッケージに入れて作られています。半導体部品はおおまかに区分するとダイオード、トランジスタ、サイリスタに分類されます。電気信号の特性、周波数や電力の違いによって数多く生産されている種類の中より適切な部品を選択することは重要です。一般的に半導体が扱う電力や周波数が高いと熱が多く発生し、冷却対策が重要となってきます。最近のMOSFETデバイスはいわゆるOn抵抗低減とよばれる材質改良によって熱の発生を抑え、より高密度の動作が可能となってきています。  例えばスイッチング電源装置内には従来トランス素材で構成していた時代の重量、体積とも数分の1以下で同等以上の変換能力を得ることができるのも、MOSFETを中心とする基幹部品の進化に他なりません。  また半導体を中心とした部品を混成して作られる集積回路LSIにおいても独特の機能を持ち合わせた構造を有し、ASICと呼ばれるカスタムLSIの機能は今後もますます発展応用のニーズがあるものと期待されている分野です。





2.2受動部品
受動部品というのは能動部品でない電子部品のことで、具体的には抵抗器、コンデンサ、コイルといったものをさします。能動部品とは、外部にエネルギーを供給することのできる部品をいいます。具体的には電池(電源装置)や半導体部品などです。 電子回路で使われる受動部品には用途に応じた特徴があります。製品の小型化ニーズに伴い、材質や構造の進化がみられます。
2.2.1コンデンサ
絶縁物を介した電極をもった構造がコンデンサの基本的な仕組みです。種類としてアルミ電解、タンタル、フイルム、セラミック、マイカ、他に電気二重層、半導体などがあります。 誘電率が大きい電解質をもったいわゆるケミコン類は、小型機器の平滑回路など多く使われています。またケミコン類は極性があり、取付けの際注意する必要があります。
2.2.2抵抗
炭素やニクロムなどの金属で作られる抵抗は、電子回路での電流制御の中核的部品です。中でも金属皮膜抵抗器は高精度、高安定の代表的存在です。抵抗値の誤差を表す数にE標準数というのがあり、例えば5%の範囲ならE24系列、1%ならE96という具合に抵抗値の種類が用意されています。他に抵抗ネットワークとよばれる複数の抵抗素子が入った部品があり、回路構成合理化に役立っているものもあります。
2.2.3コイル
渦巻きのように電線を巻いたものをコイルとよんでいます。用途によって高周波系、信号系、電源系に大別できます。コイルの中でもトランスとよばれる2つ以上のコイルを組み合わせて電圧可変やインピーダンス変換の用途に作られたものもあります。デジタル機器のコード端末にはフェライトコアとよばれる磁性体を用いたノイズ低減フィルタをみたことがかるかと思います。これはフェライトの磁性体特性により電源コードや信号ラインから漏れ出てくる不必要な電磁波を吸収減衰させるために取り付けられています。
2.3接続部品
電子部品を組み立て接続するには、実は各種の接続パーツがあります。
2.3.1コネクタ
コネクタは、電子回路を構成する内部機能を電気的、機械的に分離させる役割があります。電気信号によって例えば多極、同軸、光、IC,設備などに分類することができます。  コネクタは一般的に構造上、金属接点をもっています。ネジやばねの圧力によって金属部分の接触が行われて信号が伝達されます。振動や湿度、ガスに強い構造は装置の信頼性に大きく影響します。用途に応じ、適切なものを選定するのが大切となります。
2.3.2スイッチ
スイッチは人(例えば指など)によって操作されるものや、機械によって操作されるもの(例えばマイクロSW)に大別されます。押したり倒したり回したりすることによって電気接点が開閉する構造が一般的に多く作られています。また動作している時に表示が出るものやLED表示器などを内装したものがあります。シート、ゴム素材でできたものやタッチパネル状のものもあります。2.3.3電線
ワイヤとよばれる電線の種類には単芯、より線という導体の構成の区別以外に、ツイスト、シールド、フラット、同軸といった電気信号の回線数に応じた種類があり、絶縁材料に応じた区別も存在します。温度や湿度など環境に適応するための絶縁体や高周波伝達を確実に行うための支持構造を持ったケーブルがあります。 2.3.4基板  複数の電子部品を実装配線、組立てするのに使われる基板は、昔は紙フェノール素材が使われていました。その後紙エポキシ、ガラスエポキシ材といった絶縁材料が開発され、銅箔をこれら絶縁板上に接着されたものがプリント基板の構造です。最近では両面や多層構造基板によっていわゆるジャンパ配線を伴う配線設計がCAD上で行えるようになっています。
2.4機構部品
電子回路には機械的な動作原理や機能を持つ部品も勿論使っています。
2.4.1リレ−
日本名「継電器」と訳されるリレーは電磁石とバネの作用により、機械的に電気接点を切り替えて電気回路を制御するのがその役割です。  電気を入切する接点の容量や回路、電磁石を駆動する制御コイルの電気特性など、機能に応じて選択いたします。 接点の機械的寿命が無く、高速動作可能な半導体リレーも現在随所に使われてきています。
2.4.2振動子、発信子
正確な振動によって基準時間を作ることのできる水晶振動子はデジタルパルス回路の周波数を司る中核的部品です。水晶振動子の高精度、高安定な特性を活かした通信伝送機器、コンピュータ回路などごく普通に使用されています。水晶単体のみでなく発振回路を組み込み、温度変化の安定化や任意の周波数を取り出せる回路を付属させたものなどがあります。
2.4.3フィルタ
園芸道具で用いる「ふるい」は大きさの異なる石や砂のサイズを分別するのに使いますが、電子回路の世界でも同様な装置、それはフィルタという部品です。主にコイルやコンデンサで回路を組み、周波数が高い、低い、中間といった用途に応じて設計いたします。LCフィルタ以外に、高周波では誘電体を用いたフィルタもあります。
2.4.4電池
電子機器の小型化に伴い、小型高容量な電池の開発が進められています。電池は化学電池(普通は乾電池などこれを指す)、物理電池(太陽電池など)、生物電池(微生物電池など)に分類できますが、化学電池についてもう少し細かく分類すると、使ったら終りの1次電池、充電できる2次電池、そして燃料電池の3つに細分することができます。電池は基本的に物質材料の化学反応によって電気エネルギーを取り出します。用途に応じた使い分けが大切です。
3.配線実装技術
電気の信号を伝達するためには配線作業、具体的には接続加工いたします。電子回路上を配線するのに役立っているハンダをはじめとする接続の技術にはどのような意味があるのでしょうか。
引用文献
最新電子部品・デバイス実装技術便覧 井原惇行、益田昭彦他R&Dプランニング 2002年12月16日発行

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