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<1.電気の存在を知る>
電気の存在「静電気」
冬の乾燥した季節にあのぱちっ、という火花でびっくりした経験は多いですね。実は日本にもエレキテルという摩擦起電器があり、江戸時代の博物学者平賀源内が復元した静電気発生装置が存在していました。語源はオランダ語(ラテン語)のelectricteitがなまったもの、といわれています。雷も実は大気の静電気から生じる静電気の親玉みたいなものですが、落雷音はいつ聞いてもあまり心地よいものではないですね。実は電子機器の分野では、静電気は厄介でもあるし、また役立つ存在でもあるのです。
静電気で迷惑な分野といえば半導体を中心とした電子機器の装置です。皆さんもメモリーカード(USBやSD、CFなど)をはじめとする極小さい電子部品は静電気の高い電圧が大の苦手。あのぱちっという音がする数千ボルトの電圧で簡単に絶縁破壊という故障をしてしまします。こうした製品には弱い静電気にも保護する安全装置が電気を通る端子(たんし)に付いているとはいえ、用心するに越したことはありません。世界に1枚しかない貴重なあなたの写真が静電気でお釈迦になったら目もあてれませんですから。
一方、静電気を活用して動いている代表選手は、例えばコピー装置が有名です。トナーとよばれる粉を静電気で吸い寄せ、紙に貼り付けて印刷する技術はホントに役立っていますね。他に空気清浄機や掃除機などの分野でも静電気の吸着力を応用しているものが数多くあります。 静電気は、空中を漂う霧、煙(=電子)を小さなほうきで集めたり放ったり、そんなイメージなのが静電気なのかもしれません。
この章のまとめ
電気のフィールドは大変広く、まだまだ改良進歩していく分野はこれからも増えていきます。私達と電気のかかわりを紐解く、いろいろなことをこれから知ってみましょう。





電気の存在「磁力と電気」
磁石で遊んだことはありますが。文具コーナーなどに丸型の紙止め用磁石やゴム磁石などがありますね。磁石を電線に近づけたり離したりすると、実は電気が起きるのです。さきほどの静電気の発電(摩擦電気)とはちょっと原理が違って、磁石の帯「力=ちから」から電流を作り出します。(電磁誘導っていいます。)
発電機は、磁石と電線から効率よく動く磁石の帯を集めるような構造となっていて、雑巾(=電線)で水分(=磁力)を捕まえ、絞ってバケツ(=電流)に集める、そんなイメージが発電機、あるいはモータといえるのかもしれません。磁石からつくった電気は「流れ」が特徴的で、例えばトランス(=変速機付き自転車の歯車みたいなもの)を使うと、高い電圧(高い滝)や大きい電流(太い川)に、「変換」を自由にすることができます。私達が使う電気エネルギーの殆どは発電機を使って作られています。
電気の存在「イオン」
レモンは酸っぱいですね。こうした酸やアルカリといった液体などを利用して電池をつくることができます。乾電池は金属と電解液の化学反応を上手に利用して発電します。最近ではリチウムイオン電池といった容量の大きい電池が有名です。太陽電池も電池という名前がついていますが、半導体を利用した物理電池の一種で、発電の原理は化学電池とは異なります。最近、燃料電池は水素と酸素から電気をつくるクリーンな発電方法として注目を集めています。分子レベルでの研究が盛んに行われ、実用になる日も間もなくでしょう。
電気の存在「光、熱、電波、音」
太陽から降り注ぐ光は暖かいですね。でも蛍光灯や最近の半導体の明かりは、暖かくないですね。これは暖かい赤外線が含まれていないからです。赤外線は目には見えないけれどリモコンなど電子機器にも多く使われています。情報機器の代表的存在、携帯電話は電波を使って通信します。着信音マナーで気をつけていますか。これら通信機器の殆どは電波、音、映像(光)を用いた複合機能を高度に利用したものです。コウモリやイルカといった動物達は超音波で会話するそうですが、音の反射で中身の様子を調べるエコー画像装置など、こうした原理で私達の暮らしに役立っているものが数多くあります。

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